そして1F、仕上げフロアへ。
ご覧の通り製品化間近の大量の靴、数多くの専門機材に埋め尽くされた男心をくすぐられる光景!!
生産工程に沿って解説いたします。
まずはアウトステッチング。
ミッドソールと呼ばれる革製の中間底にゴムの底材(ソール)を縫い付けていきます。
最大で約2cmもの厚みに対し針を落としていきますので、凄まじい馬力を持つ専用ミシンを使います。
高速で動く針を均一に落とすには一周を迷いなく縫い続けなければならなく、アッパー(甲革)に接触しないギリギリを縫製するため、非常に高度な技術を要します。
職人さん曰く、靴作りに於いて最も難しい作業とのこと。
次のソール圧着作業。
ヒールパーツなど、ステッチで縫うことの出来ないソールを接着剤と圧力でくっつけます。
接着剤を塗った靴とソールを機械により加熱します。
手作業で貼りつけます。
こちらが圧着機。
上から数百キログラムの強い力を掛けソールを固定します。
このようにセッティング。
ものの数十秒で圧着は完了します。
ヒールパーツには釘打ちを施し強度アップ。
はみ出したソールはカットします。
そして次はサンディング作業です。
回転工具にてミッドソールとアウトソールを均一に削り成型していきます。
靴自体の外形を決めると共にガイドライン無しに手作業で削りを行うため、こちらも重要かつ難易度の高い作業です。
最後にコバ仕上げ作業です。
サンディングを終えたこのような状態から仕上げていきます。
オリジナルの色調合を施した塗料をコバに丁寧に塗っていきます。
回転工具にて磨きをかけ、テリを出します。
このような仕上がり。
これで製品化完了。
ご覧頂きました通り数多くの作業工程、専用機械、職人技術が集まり、ようやく生まれるものづくり。感動的です!!
続いて、アッパー(甲革)の成型機を見せて頂きました。
これがトゥラスター。
つま先の成形を行うマシーンです。
革に熱を与え柔らかくし
中心を慎重に見極めセッティング。
このようにラスト(木型)にあてがいます。
スイッチを押すと、パーツが中心により革を押し伸ばします。
こうして平面であった革はラスト(木型)に沿った丸みのある立体のフォルムに形作られます。
次はヒールシート。
かかと周りの成形を行うマシーンです。
こちらもラスト(木型)に沿わせて革を押し寄せます。
そして仕上がりはこの通り。こちらは自動で釘打ちまで行います。
このように仕上げを中心に担当する工場でありながらも靴作りのほぼすべてを網羅する機材の量と職人技。THE BOOTS FACTORYの底力を見させて頂きました。
今回は特別に工場長を務めていらっしゃいます志田宏樹さんにお話を伺うことが出来ました。
いかにもアメカジがお好きそうなご様子。
やはり実作業によって経年変化したオーバーオールは抜群に雰囲気があります。
志田さんは29歳とお若いながらも確実な技術を持つ職人さんです。
その経歴もまた興味深く、美容師から古着販売を経て、靴修理工場で技術を覚え、THE BOOTS FACTORYに至ったとのこと。
そもそもアメカジ好き、ワークブーツ好き。大変共感します!!
靴作りの生産工程や構造を知り、作業を自身の身体に染込ませるように覚えていくことにやりがいを感じるそうです。
しかし、やはり作業は体力勝負。納期前は挫けそうな時もありながらも、なんとか良いものを生産し続けられるよう、日々努力しているそうです。
今後BROTHER BRIDGEは更なる進化を計画しているそうです。
レギュラー品をベースにレザー、ソール、サイズ、製法をお客様にお選びいただけるセミオーダーシステムを構築するとのこと。
自社工場を持つこのブランドだからこそ出来る小回りの利く対応。さすがの一言です。
今回潜入取材さえて頂き最も感じたものはタイトルにあるように愛です。
THE BOOTS FACTORYは様々な職人さんが働いています。その道50年の老練な職人さんから20代の若く将来を期待される職人さんや女性職人さん。
その共通点はやはり愛です。靴が好き、ブーツが好き、ものづくりが好きという「ブーツ愛」により職人の皆さんが繋がっているのを確かに感じることができました。
そのブーツ愛と卓越した職人技こそがBROTHER BRIDGEのブーツの魅力の正体と知る事ができました。
THE BOOTS FACTORYの皆様、ご協力ありがとうございました。
そして何より大変長くまでお付き合い頂きました、ご覧の皆様。次回はもうちょっと短く出来るよう努力致します。(笑)
是非とも店頭にてこの魅力満載のブーツブランドBROTHER BRIDGEをご覧ください。
お待ちしております。